マンションを選択するにあたって、新築・中古を問わず、広さや価格、立地そして設備といったポイントがあげられますが、その全てを満たすのはなかなか難しいものです。
新築の設備や仕様は確かに魅力ですが、高価であることに加えて、立地の選択肢は少なくなります。
かたや中古はというと、安価で立地の選択肢は多くなりますが、間取りや設備が古いのは事実です。
立地のよい場所には、すでにマンションが建っている。しかし、それは中古で間取りや設備には満足できない…
こうした2つの相反する要素を打開すべく、都心部では中古マンションに完全再生を施す“リノベーション”物件という選択肢も増えました。
躯体のみを残して全て解体したスケルトンの状態から、設備・給排水管に至るまでその全てを再生する“リノベーション”。
福岡でも以前はこの“リノベーション”物件が数多く見受けられたのですが、最近少なくなったように感じます。
多額の費用を要し、立地の選定に細心の注意をはからなければならない“リノベーション”事業。まだまだ福岡では供給するに値する立地はごくわずかということでしょう・・・。
代わって好調なのが、壁や柱といった活かせるものは残し、和室をなくし広いLDKへ… 水回りを移設し対面式キッチンへ… といった再生事業。
スケルトンの状態からスタートするのではなく、必要に応じて解体を行い、専有部分の設備・建具その他全てを新品に交換するものです。
0から造り上げないので“リノベーション”という言葉は使えませんが、使用する素材や設備は“リノベーション”物件と同等。
見た目や設備のグレードは“リノベーション”物件と何ら変わらないうえ、比較的割安で供給できるのが好調の理由のようです。
あえて、造り込みすぎないのもイイようです。タイルやクロスなど、随所にデザインは施されおり、常に新しい試みもみられますが、ターゲットが絞られるような仕上がりにはなっていません。
新築の供給が激減するなか、希望エリアを限定している方にとって、今後もこの再生事業は多くの需要が見込まれると思います。